建設資材の高騰や人手不足により、建築コスト全体の高騰をもたらしている。それにより再開発計画の規模縮小や計画自体の見直しが昨今の建設業界のトレンドである。
そういった中、本号では竹中工務店が携わった古建築の修繕やそれをベースにした改築を特集しており、東京を中心に久しく続いている超高層ビルの新築とは違った視点で竹中工務店は建築物の価値の底上げの一手を指しているのだと思う。
繰り返しだがいたずらに超高層ビルを建ててデベロッパーに手渡す従来の手法が限界に来ている中、内装の妙や元の建築物を生かした外観の洗練さに磨きをかけることがゼネコンの新しい生き残りの手法であると感じた。
ゼネコンが物件を取得し改築しその価値を向上させるという手法は私なりのいい加減な理解(読み間違いがあるかもだが)だが事業再生ファンドを連想する。そこに今後のゼネコンの趨勢を垣間見ることができるのではないだろうか?ここには従来の不動産デベロッパーの目には届かない物件でも施行と設計が高度に一体化したスーゼネの強みを利用することにより価値向上が実現される期待がある。
竹中工務店の自社ビルである御堂ビルは築年数が経っているがまだまだ現役で施設内においてはスタイリッシュな改築を積極的に行っている。
御堂ビルという作品は竹中工務店の本社ビルを活用したモデルルームのようなものではないかと想像する。これから老朽化していく建築物に対してそのソリューションとして御堂ビルがあるだろうし、他にも本誌で取り上げられている様々な物件もそうなのだろうと思う。